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二か所の法務局が関係する登記申請と押印

経由申請など2つの法務局が関係する登記と申請書に押印する者と押印する会社実印についてお悩みではございませんか

会社の登記を申請する場合には、管轄の法務局に申請書に押印する者が会社実印を届出します。
この届出られている会社実印を登記の申請書や委任状に押印いただくことで、法務局は登記の申請がその会社から適正に申請されているかどうかを確認します。

管轄外への本店移転や組織再編行為における経由申請など2つの法務局が関係する登記申請を行う場合、管轄ではない法務局に登記申請書を提出することもあります。
管轄ではない法務局に登記申請書を提出することになる場合には、それぞれに決まった取り扱いがあります。

今回は、このような経由申請などの2つの法務局が関係する登記と申請書に押印するべき者と押印する会社実印について記載いたします。

管轄外への本店移転の場合には登記申請と併せて印鑑届書も提出する

管轄外への本店移転の場合には、旧管轄への登記申請と新管轄への登記申請の2件を、旧管轄の法務局へまとめて申請します。

このとき、旧管轄についてはもともとの管轄法務局ですから既に会社実印が届出られています。
そのため、旧管轄への登記申請については、登記申請書や委任状に旧管轄にもともと届出られている会社実印が押印されていれば問題ございません。

新管轄については、まだ会社実印が届出られていないので、印鑑届出が必要です。
この印鑑届出については、新管轄への登記申請書と併せて印鑑届書を旧管轄の法務局に提出することとされています。

※なお、この管轄外への本店移転における新管轄への印鑑届出については、旧管轄に届出ている会社実印と同じ印鑑を新管轄へも届出る場合には、代表取締役の個人印鑑証明書などの商業登記規則9条5項各号の書類の添付を省略することができるとされています(平成11年4月2日民四667号通達)。
ただし、あくまでも代表取締役の個人印鑑証明書などの書類の添付が不要になるだけで、印鑑届書に代表取締役の個人実印の押印は省略できないとされているので注意が必要です。

吸収合併の場合には消滅会社に関する登記も存続会社の代表者が申請する

吸収合併の登記については、存続会社と消滅会社の管轄法務局が異なる場合には、存続会社に関する変更登記と消滅会社に関する解散登記をまとめて存続会社を管轄する法務局に申請します。

吸収合併の場合には、登記申請する際には、既に吸収合併の効力が生じているため消滅会社の法人格は消滅しています。

そのため吸収合併については消滅会社に関する解散登記も、その登記申請義務を包括承継した存続会社の代表者が申請することになります(商業登記法82条1項)。

消滅会社についての解散登記については、添付書面は委任状も含めて一切必要ないとされています(商業登記法82条4項)。

新設合併の場合も消滅会社に関する登記は新設会社の代表者が申請する

新設合併の場合には、登記を申請した日に効力が生じるとされていますが、消滅会社の解散登記については吸収合併の場合と同様です。

消滅会社に関する解散登記については、新設会社の代表者が申請します(商業登記法82条1項)。

※登記申請した時点で効力が発生するため、消滅会社については存続会社に登記申請義務が承継されている形で申請する方が好ましいとの考えによるものと思われます。

消滅会社についての解散登記については、添付書面は委任状も含めて一切必要ないとされています(商業登記法82条4項)。

吸収分割の場合には分割会社の代表者が申請する

吸収分割の登記の場合に、承継会社と分割会社の管轄が異なる場合には、承継会社に関する変更登記と分割会社に関する変更登記をまとめて承継会社を管轄する法務局に申請します。

吸収合併の場合と異なり、分割会社の法人格は消滅していませんので、分割会社についての変更登記は分割会社の代表者が申請します。

この吸収分割による分割会社の変更登記については、委任状以外の添付書面を要しないとされています(商業登記法87条3項)。

※登記申請書または委任状には、分割会社の会社実印を押印します。
以前は、この分割会社の会社実印が承継会社の管轄法務局では確認できないため、分割会社の会社印鑑証明書の添付が必要とされていました。

株式交換において経由申請が必要となる場合について

株式交換の場合には、完全子会社については登記事項に変更が生じないことの方が多いです。
完全子会社の新株予約権者に対して、完全親会社の新株予約権を交付した場合には完全子会社の登記事項に変更が生じます。

この場合には完全親会社に関しての変更登記と完全子会社に関しての変更登記を完全親会社の管轄法務局へまとめて申請します。

この完全子会社についての変更登記については吸収分割の分割会社の場合と同様です。
完全子会社の代表者が申請し、委任状以外の添付書面を要しないとされています(商業登記法91条3項)。
※この登記申請書または委任状には完全子会社の会社実印を押印します。

新設分割の場合にも分割会社の代表者が申請する

新設分割の場合の分割会社の変更登記については、吸収分割による変更登記と同様の取扱いになります。

新設会社と管轄が異なる場合には、新設会社の管轄法務局に申請されることになりますが、分割会社の代表者が申請します。
また、委任状以外の添付書面は必要ありません。
※登記申請書または委任状には分割会社の会社実印を押印します。

株式移転において経由申請が必要となる場合において

株式移転においては、完全子会社については登記事項に変更を生じないことの方が多いです。
完全子会社の新株予約権者に対して設立会社の新株予約権を交付した場合には、完全子会社について変更登記が必要となり、設立会社の設立登記と完全子会社の変更登記をまとめて設立会社の管轄法務局に申請することになります。

この完全子会社についての変更登記については、完全子会社の代表者が申請することになり、委任状以外の添付書面は必要ありません。
※登記申請書または委任状には完全子会社の会社実印を押印します。

株式交付では経由申請は発生しない

株式交付では、株式交付親会社において新株を発行した場合などには登記事項に変更が生じますが、株式交付子会社においては登記事項に変更は生じません。
そのため経由申請が発生することはありません。

二か所の法務局が関係する登記申請では申請書の記載や押印にご注意ください

本店移転や組織再編行為においては二か所の法務局が関係する登記申請が発生します。
それぞれ申請人の記載や押印する会社実印について取り扱いがありますので、その点をよくご確認いただくことが大切です。
ご参考にしていただけますと幸いです。

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