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種類株主総会の決議について

種類株主総会の決議についてお悩みではございませんか

種類株主総会では、法令に規定する事項および定款で定めた事項に限り、決議することができるとされています(会社法321条)。
それでは、具体的にどのような事項を決議することができ、その運営や決議要件はどのようなものになるのでしょうか。
種類株式を導入した場合には、種類株主総会を必要に応じて開催する必要がでてきますので、その運営や決議要件を確認していただくことが、とても大切です。

今回は、種類株主総会の決議について記載いたします。

株主総会の規定の多くが種類株主総会にも準用されている

種類株主総会には、株主総会の規定のほとんどが準用されています(会社法325条)。
そのため、招集の手続きや運営などは通常の株主総会と同様に行えばいいことになります。

会社法300条の招集手続きの省略や、会社法319条の株主総会の決議の省略(いわゆる書面決議)の規定も準用されていますので、種類株主の人数が多くない場合は、これらの規定を活用すると手続きが簡便に進められることも多いかと存じます。

定時株主総会についての会社法296条1項は準用されていませんので、毎年定時種類株主総会といったものを開催する必要はございません。

種類株主総会の普通決議の要件と決議事項

種類株主総会の普通決議の要件は「その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数」となっています(会社法324条)。

通常の株主総会の普通決議の要件と似ていますが、通常の株主総会の普通決議の要件は「議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数」となっており(会社法309条)、定足数の定めが若干異なりますので注意が必要です。

種類株主総会において、普通決議による決議の対象となるのは、拒否権付種類株式による拒否権の対象となっている事項の承認となります(会社法323条)。

種類株主総会の特別な普通決議の要件と決議事項

取締役・監査役選任権付株式を導入している場合には、取締役の選任と解任、監査役の選任については、その種類株主総会の特別な普通決議で行います(会社法329条、339条、341条、347条)。

※監査役の解任については、選任権付株式を導入している場合には、後述のとおり種類株主総会の特別決議が必要となります。

特別な普通決議の要件は「種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数が出席し、出席した株主の議決権の過半数」になります。

そして、通常の役員選任の場合と同様に、定足数については、定款により3分の1以上の割合とすることはできますが、定款に定めても3分の1未満とすることはできません。
また、決議割合については過半数を上回る加重の規定を定款に定めることもできます。

※通常の種類株主総会の普通決議では、定足数が総株主の議決権をベースに算定されていましたが、会社法341条を会社法347条によって読み替えて適用するため、ここでは定足数が議決権を行使することができる株主の議決権をベースに算定されることになります。

種類株主総会の特別決議の要件と決議事項

種類株主総会の特別決議の要件は、「種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上」となります。

定足数は、定款で定めれば3分の1以上の割合とすることはできますが、3分の1未満とすることはできません。
また、決議割合については過半数を上回る加重の規定を定款に定めることもできます。

特別決議が必要となるのは、次の事項となります。
・監査役の解任(監査役選任権付株式を発行している場合。会社法339条、341条、347条2項)
・種類株主に損害を及ぼす恐れのある行為を行う場合の承認(会社法322条1項)
・種類株式に全部取得条項を付す定款変更(会社法111条2項)
・譲渡制限株式の募集事項の決定(会社法199条4項)
・譲渡制限株式の募集事項の決定の取締役などへの委任(会社法200条4項)
・譲渡制限株式を目的とする新株予約権の募集事項の決定(会社法238条4項)
・譲渡制限株式を目的とする新株予約権の募集事項の決定の取締役などへの委任(会社法239条4項)
・組織再編行為の対価として、譲渡制限株式を交付する場合の承認(会社法795条4項、816条の3第3項)

なお、会社法322条1項に定める、損害を及ぼす恐れのある行為を行う場合の承認の種類株主総会決議については、定款で種類株主総会を要しない旨を定めることができ、この定めは登記事項となります。

※その場合でも、株式の種類の追加や株式の内容の変更といった一定の事項については、種類株主総会を不要とすることはできません(会社法322条3項)。

種類株主総会の特殊決議の要件と決議事項

種類株主総会における特殊決議の要件は、「種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上で、当該株主の議決権の3分の2以上」になります(会社法324条3項)。

定足数は、頭数要件で定款に定めることで加重することが可能です。
決議割合についても、定款で定めることで加重することが可能です。

特殊決議が必要となる事項は、次の二つの事項になります。
・種類株式に譲渡制限を付す場合の定款の変更(会社法111条2項)
・吸収合併消滅会社または株式交換、株式移転をする株式会社の株主(譲渡制限株式を保有している場合を除く。)に、対価として譲渡制限株式等を交付する場合の承認(会社法783条3項、会社法804条3項)

種類株主総会の運営や決議は定款の規定をよく確認することが大切

種類株主総会の招集や運営は、基本的には株主総会と同様になります。
決議については、種類株式についての定款の定めをよくご確認いただくことが大切です。
ご参考にしていただけますと幸いです。

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