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組織再編行為の登記の同時申請・経由申請

組織再編行為などの場合に必要となる同時申請、経由申請についてお悩みではございませんか

吸収合併や新設分割などの組織再編行為の登記申請は、存続会社や新設会社などと、消滅会社や分割会社などの法務局の管轄が異なる場合には、同時申請、経由申請という方法をとる必要があります。

例えば、吸収合併の場合には存続会社を管轄する法務局に消滅会社に関する登記も併せて申請することになります。
また、吸収分割などの場合には、吸収分割と併せて分割会社の商号変更などを行うこともありますが、このような他の登記は経由して申請することはできないとされています。

今回は、組織再編行為に関する同時申請、経由申請と、その他の経由に馴染まない登記について記載いたします。

同時申請、経由申請とは

組織再編行為の登記の際に必要となる同時申請、経由申請とはどのような方法なのでしょうか。

例えば、吸収合併を行った場合には、存続会社については吸収合併による変更登記を、消滅会社については吸収合併による解散登記を申請する必要があります。

そして、この存続会社についての変更登記と消滅会社についての解散登記は、どちらも同じ吸収合併による登記ですから、片方だけ申請するということはできません。
この二つの登記は、同時に申請しなければならないとされています。
これが同時申請になります。
(一つの吸収合併から発生した登記ですので、一体的に審査することが望ましいとされているためです。)

存続会社と消滅会社の管轄の法務局が同じであれば、この二つの登記を同時に管轄法務局へ申請すれば問題ありません。

それでは、存続会社と消滅会社の管轄が異なる場合はどのようにすればよいのでしょうか。

管轄の法務局が異なる場合には、存続会社を管轄する法務局に、存続会社についての変更登記と併せて消滅会社についての解散登記も同時に申請することとされています。

例えば、存続会社が東京法務局品川出張所の管轄、消滅会社が横浜地方法務局の管轄とすると、存続会社についての変更登記だけでなく、消滅会社についての解散登記も東京法務局品川出張所に同時に申請することになります。

このように申請された吸収合併に関する登記は、どちらも存続会社を管轄する法務局で審査され、消滅会社についての解散登記については、存続会社を管轄する法務局から消滅会社を管轄する法務局へ登記申請書が送られます。

先ほどの例でいえば、消滅会社についての解散登記は、存続会社を管轄する東京法務局品川出張所へ提出されたものが、東京法務局品川出張所から消滅会社を管轄する横浜地方法務局へ送られます。

消滅会社に関する登記は、一旦存続会社の管轄法務局を経由して消滅会社の管轄法務局に送られることから、経由申請と呼ばれています。

組織再編行為に関する登記の同時申請・経由申請は存続会社・承継会社・完全親会社・設立会社を管轄する法務局に申請する

先ほどは、吸収合併に関する場合を例にして同時申請・経由申請について記載いたしました。
他の組織再編行為についても、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社、設立会社を管轄する法務局に申請することになります。

同時申請、経由申請をする場合に、申請する先の法務局の管轄をまとめると、次のようになります。

・吸収合併の場合 存続会社の管轄法務局
・吸収分割の場合 承継会社の管轄法務局
・株式交換の場合 完全親会社の管轄法務局
・新設合併の場合 設立会社の管轄法務局
・新設分割の場合 設立会社の管轄法務局
・株式移転の場合 設立会社の管轄法務局

吸収分割においては、承継会社の方が、規模が小さいことも多く、申請する法務局を間違いやすいので注意が必要です。
(吸収合併においては、存続会社の方が規模が大きいことが多いです。)

※株式交換については、通常は完全親会社が新株を発行した場合にその登記だけが必要となり、完全子会社については株主構成が変動するのみで登記を要しない場合が多いです。
そのような場合には完全親会社のみ登記を行えばよく、同時申請や経由申請の必要はありません。
株式交換にともない、完全子会社の新株予約権者に対して完全親会社の新株予約権を交付した場合には、完全子会社についても登記が必要となり、上記のとおり完全親会社の管轄法務局へ同時申請、経由申請を行う必要があります。

※株式移転については、通常は完全親会社の設立登記だけが必要となり、完全子会社については株主構成が変動するのみで登記を要しない場合が多いです。
そのような場合には完全親会社の設立登記のみを行えばよく、同時申請や経由申請は必要ありません。
株式移転にともない、完全子会社の新株予約権者に対して設立会社の新株予約権を交付した場合には、完全子会社についても登記が必要となり、設立会社の管轄法務局へ、同時申請、経由申請を行う必要があります。

※株式交付については、株式交付親会社について新株を発行した場合にその登記だけが必要となり、株式交付子会社について登記が必要となる場面はありません。
そのため、株式交付親会社について必要な場合にその登記を行えばよく、同時申請や経由申請が必要になる場面はありません。

分割会社について商号変更などを行う場合は経由申請の対象外なので注意が必要

例えば、吸収分割の手続きの際に、分割会社について吸収分割の効力発生日に合わせて商号変更を行うといったケースもあります。

※吸収合併の場合には消滅会社は無くなってしまうので、他の登記を併せて行うということはありませんが、吸収分割の場合の分割会社は無くなるわけではないのですので、事業を分割したことに合わせて商号を変更するといったケースがございます。

このような場合に分割会社については、管轄が異なる場合には承継会社の管轄法務局へ同時申請、経由申請で吸収分割による変更登記を申請しますが、商号変更などの他の独立した登記は経由申請の対象とはなっていません。
そのため、別途分割会社の管轄法務局へ直接申請する必要があります。

※分割型分割をした場合に、同時に行った資本金の減少の登記も同様に経由申請の対象とはなりません。

組織再編行為の登記を行う際は申請する法務局をよくご確認ください

組織再編行為は、2つ以上の登記を一体的に審査する必要があるため、同時申請、経由申請が必要となるため申請する法務局をよくご確認ください。
吸収分割の分割会社などに経由申請の対象とはならない登記を同時に行う場合には別途管轄法務局への申請が必要となる点にもご注意ください。
ご参考にしていただけますと幸いです。

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